声の方を見ると、これからハイキングかなという高齢者のグループが電車の扉付近に固まっていて、そこから白杖の女性が電車から降りて歩いて行きました。
どうも、混雑する乗り換え客の波で白杖の女性が降りられなくなっているのを見かねての「場所を空けて!」だったようなのですが、
高齢者のグループは、
えっ、なあに?
何があったの?
なんか大丈夫みたいよ?
と事態を把握できていないまま電車に乗り込んで行きました。
こういうエピソードを、高齢者のモラルとか老害とかいう文脈で批判する人もいると思いますが、現実はそれだけの問題ではないと最近感じています。
私の母も高齢になり、時々周囲の人に接近しすぎてぶつかりそうになりながら歩いているのですが、それを注意すると、どうも接近しすぎているということに気づいていないようで、「???」という反応をされることが増えました。
高齢になると、注意力が少しずつ鈍ってきて、注意を払える半径が狭くなってくるようです。
これからどんどん高齢者社会になって、こういう状況が増えると、家の外というのは環境としての危険が高まっていくような気がします。
高齢者自身も危険ですし、周辺にいる人々も巻き込まれる可能性があります。
私もいずれは高齢者ですが、いつまで若い頃の注意力を保ち続けられるだろうかと、不安を感じた朝でした。
さて、大学は授業も始まり、キャンパスは春爛漫です。キャンパス内の花壇でいまチューリップが満開を迎えています。