2015年12月15日

【永青文庫 春画展】

2013年から2014年にかけて大英博物館で開催された春画展を、日本でも開催したい。
春画というものの存在は決して一般的に知られていないものではないものの、春画そのものを扱った本格的な展覧会は、日本では初めての試み。

椿山荘のすぐ近くにある、細川家所有の文化財を保存・公開している博物館(現在は公益法人)、永青文庫。
今回の春画展をきっかけに知った場所なのですが。。。もう会期は終わっているのかと思っていたら、まだ間に合うようなので行ってきました。

椿山荘の横を通り過ぎ、目の前に現れる心臓破りの坂を上り。。。
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息切れしそうになりながら坂を上り切ると、入口。
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展示会場は平日にも関わらず身動きが難しいほどの人、人、人で、入口から既に呆然となり。。。

1時間ほどかけて、多分、大きな美術館ならテーマ2つ分くらいの広さかなというスペースに所狭しと展示された春画の洪水のなかを歩いてきました。

これまでにも、これは芸術か猥褻かで展覧会にクレームがついたり予定会期が短縮されたりという出来事はあちこちであったので、今回の春画展開催は関係者の皆様本当に細心の注意を払いながらの準備と開催だったと思います。(展覧会は18歳未満入場禁止です)

私自身、これほどまとまった数の春画を実際に目の当たりにしたのは初めての経験で、日本の春画は量も質も世界で群を抜いているとのこと、600ページにも及ぶ展覧会図録からも滲み出てくる何か壮絶なものは一体何なんだろうというのが正直なところです。

余談ですが600ページもあるとこんな厚みになります。
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呆然と会場を巡りながらふっと気づいたのですが、構図がすごいのです。
どう考えても人体としての骨格がわりと無視されている感じでも、形として説得されてしまう。全ては肝心な描写のためのデフォルメなのでしょうが、そのデフォルメの説得力を支えている重要なモチーフのひとつが着物なのではないかと。

布を長く使った着物はドレープが豊富に作れるし、構図によっては舞台装置のひとつのようにも見えてきて。。。日本の着物は柄の美しさを見逃すことはできませんが、どの絵もその柄ひとつひとつに手を抜いている形跡はないと感じました。

もしかして日本人って、平面構成に対する能力や美意識がとても高いのではないのかしら。

図録はとても重くて帰り道に難儀しましたが、行った甲斐はあったなあという思いでした。

芸術では実際に空腹を満たすことはできないのに、人間は歴史の中でおびただしい数の芸術作品を残してきました。創作行為というのは、どういうわけか止めることができないのでしょう。

おびただしい数の人間が何千年もの時間を繋ぎ続けた証として、美術館や博物館にはこれからも頑張っていただきたいなと心から思います。

posted by はやしすみこ at 23:57| 東京 ☀| Comment(0) | 日々の徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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